オーガニックとは? 2017年オーガニックについて考えてみた

      2017/01/25

オーガニックとは……?

安全・安心?
からだに良い?
ちょっとお高い野菜?

意識高い系の洋服素材?

 

毎度!!
Webショップmai店長こと「俺」です。

 

今回のテーマは「オーガニック」。

 

ORGANIC

※取り急ぎ「オーガニック」を全身で表現しました。

 

2020年の東京五輪に向けて、2017年は「オーガニック元年」とも言われております。

なぜ今「オーガニック元年」か、って?

2012年のロンドン五輪では、「近代五輪史上、最も持続可能な大会」というテーマがありました。
2012年のロンドン五輪、2016年のリオ五輪と2大会連続で、食材の調達基準として掲げられた目標がありました。

『有機農産物』や『有機認証を受けた産品』を調達の上位目標(意欲的基準)とする。

この傾向は、2020年の東京五輪においても継承される見込みが高いとされています。

そして2016年、オーガニック業界を騒がせたニュース

 

イオン株式会社による日本初のオーガニックスーパーマーケット「Bio c’ Bon」(ビオセボン)をオープン

オイシックス大地を守る会が2017年秋を目処に経営統合の検討を開始

 

これらを考慮すると2017年は、日本の「オーガニック」が盛り上がりを見せ始める年。
まさに「オーガニック元年」ではないでしょうか?

 

では、質問です。

 

「オーガニック」とは、なに?

 

「有機野菜?」
「無農薬野菜?」
「安心・安全? エコ?」
「自然派雑貨や化粧品?」

 

さまざまな声がありそうですよね~。

 

でも、

 

チェック有機JAS認定された野菜でも、使ってOKな農薬があります。
チェック無農薬野菜とは、法律で担保された表現ではありません。
チェック安心・安全や環境保護 = オーガニックと言い切れるでしょうか?
チェック自然派? どこをもって自然派と言うの……。

 

 

つ・ま・り

 

 

日本における「オーガニック」は…… あいまい……。

 

 

日本では1999年のJAS法改正によって、有機食品の検査認証制度が創設されました。
表示名などに使われる「オーガニック」「有機」は、法律によって規制されています。

有機JASマーク

 

 

 

上記の「有機JASマーク」がない食品などに、「有機」「オーガニック」などの名称や、紛らわしい表示は法律で禁止されています。

紛らわしい表示の一例として、『有機無農薬トマト』。
このような表示は、「残留農薬が無い」と消費者が優良誤認を起こす可能性があります。
そのため特別栽培農産物に係る表示ガイドラインにおいて、『無農薬』の表示は表示禁止事項とされています。

もちろん「有機JASマーク」は、認定機関によって認証されたものにしか表示することはできません。

JAS法によって規定されているのは以下の4規格。

  • 有機農産物
  • 有機加工食品(酒類は除く)
  • 有機畜産物
  • 有機飼料

「オーガニック」という言葉が日本で言われはじめたころは、混乱の極みでした。
ガイドラインを持たない状況で、「オーガニック」という言葉のみがひとり歩きして、市場は混乱しました。
ようやくガイドラインができても法的な罰則がない、「オーガニック」の無法状態でした。

終いには「オーガニックや無農薬という言葉をつければ商品が売れる!?」
そんな考えまで出回り、「オーガニック」は不当表示まがいの商用語として使われた時代がありました。

そうして日本の消費者は、「オーガニック」に対して不信感を覚えたのでしょう。

 

欧米における「オーガニック」とは?

「オーガニック」は、「源、起源、本来の」という意味がある「ORIGIN」(オリジン)が語源とされています。
食、生き方、考え、環境、経済、教育などライフスタイルすべてに使われ、人間本来の自然と寄添った暮らしを取り戻すことを意味します。

この考えの根底に流れるモノは

「Think Globally, Act Locally」
「地球規模で考え、足元から行動せよ」

 

欧米の代表的な有機認証団体

USDA

USDA
アメリカ農務省傘下のオーガニックプログラムにより、オーガニック食品の認証が行われています。

 

demeter

demeter(デメター)
ドイツで一番古い民間の機関で、オーガニック製品を推奨・認定する団体。
世界で最も基準が厳しいオーガニック認定とも言われ、信頼のおけるオーガニック食品のマークとして知られています。

 

Ecocert

ECOCERT(エコサート)
1991年にフランス農務省が、有機栽培食品を認可する目的で設立したオーガニック認定機関。
国際有機認定機関としては最大といわれ、オーガニック認証団体の世界基準とも言われています。

 

Soil

Soil Association(ソイル・アソシエーション)
イギリスの有機農産物の検査・認定の第三者機関。

 

EU_Organic_Logo_Colour_rgb

EU Organic
EUの各国で認証されたオーガニック食品に共通のロゴ

 

日本人が「オーガニック」に興味を持つきっかけのトップ3

 

  • 「食の安全性が気になった」
  • 「自分や家族の健康のため」
  • 「おいしいから」

 

なにか気づきませんか?

 

キッカケのベクトルが、「自己のため」です。
自己のニーズを満たすため、ひとつの選択肢として「オーガニック」に興味を持つ。

もちろんコレが悪いとは言いません。
米国の肥満対策や健康推進などを鑑みると、自身のニーズを満たすことも「オーガニック」のもつ意味として重要であることに違いありません。
しかし「オーガニック」の語源であるORIGIN「オリジン」と比べると、少々乖離が見られるのも事実です。

 

語源における「オーガニック」のベクトルは「自然(しぜん)」

日本における「オーガニック」のベクトルは「自(みずから)」

日本の「オーガニック」は言うなれば「然(ぜん)」落ち。

 

『理念』の抜け落ちた「オーガニック」はどこへ行く

一般的に『理念』なき企業は衰退するといわれます。
『理念』があっても、末端の社員までそれが共有されていない場合も同じです。

これは個人の行動でも同じだと思いませんか?
ダイエットなども「減量が目的」ではなく、「痩せて可愛い服を着る」ことの方が重要な気がします。

『理念』なき行動は、長続きしません。
シンプルなビジネスは、『需要』と『供給』で成立します。
しかし「オーガニック」においては『需要』と『供給』以上に、『理念の実現』が重要に思われてなりません。

現代における企業が果たすべき役割のなかで、『社会貢献』は非常に大きなファクターだと思います。

  • あなたが「オーガニック」商品を購入する意味
  • 購入することのによって得られるベネフィット
  • 社会や環境が将来的に享受するベネフィット

これらを相違なく伝えることが「オーガニック」にとっては重要なように感じられます。

 

生産者・メーカー  流通・小売  消費者

市場は往々にして上記のような、モノの流れをしています。
三位一体という言葉を耳にすることがありますが、「オーガニック」の『理念』レベルにおける三位一体は……
出来ていないから「あいまい」なのだと思われます。

 

生産者  消費者

近年は、生産者も気軽にECの世界に入ってきます。
インターネットの普及によって、この様な構図が業界ではよく見られます。
消費者との距離が近い分、『理念』や想いは共有されやすくなります。

しかしこれでは、欧米の様な市場成長は見込めません。

上記のように中間業者を抜くことで、開ける道もあります。
しかしその道は細く長く、日本の「オーガニック」はいつまでも、「高くて」「品揃えの悪い」イメージを拭いきれません。

「オーガニック」を通して、生産者やメーカーは何を実現したいのか?
流通・小売は? そして消費者は?

三位の最終到達点が異なっている限り、若者が農業へ夢を抱くことも難しいのではないでしょうか。

 

日本におけるオーガニックの課題は、中間流通と小売の理念共有?

環境保護に関する意識調査では、生産者・メーカーそして消費者が高く、流通・小売では極端に低くなる結果があるそうです。
調査結果を鵜呑みにはしませんが、業界に身を置く者の肌感覚として納得できます。

 

環境保護意識

 

これが顕著にみられるのは一般的なスーパー。

青果売り場の角に、ちょこんと設置されているオーガニックコーナー。
あなたのご近所にもありませんか?

商品の品数・絶対量ともに少なく、情報量も少ない。
POP等でがんばってはいるが、店員が「オーガニック」を理解していない。
オーガニック商品は置いているが、消費者に「オーガニック」を認知してもらう環境が整っていません。

当の小売店は

  • 品数を増やしても買う人は限られている
  • 有機認証済みの商品を、再生できない※
  • 量は売れないから、鮮度も悪くなりロスが多くなる
  • 教育プログラムも無いから、有益な情報を顧客に提供できない

※小分け業者としての有機認証を取得していないと、再包装することは出来ません。
例)有機JAS認証された袋に入ったジャガイモが一つだけ傷んでいる場合、袋を開けて傷みを除いて再度袋を閉じることは出来ない

小売店の気持ちも痛いほどわかります……が。
流通・小売には「オーガニック」を取り扱うものとしての、『理念』が抜け落ちていることが売り場から見えてきます。

 

オーガニック後進国の日本

日本におけるオーガニック市場に関して、累年データがありません。(私調べ)
そこで、信頼のおけるデータが少ないなりに、各データを複合的に日本の「オーガニック」を見てみます。

市場調査

出典:農林水産省ホームページ http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/yuuki_sijyou_jittai.pdf

調査年度にズレがあるものの、そもそも日本のオーガニック市場は小さい。

2009年調査のデータでは、日本の市場規模は約1,300億円。
2011年の米国では約2.6兆円。

アメリカの市場は日本の約20倍です。

 

OTA_StateofIndustry_2016

出典:OTA https://www.ota.com/resources/market-analysis

上記はOTA(Organic Trade Association)のレポートにみる、米国のオーガニック市場の現状である。
2015年、オーガニック食品は397億ドル(約4兆円)となり、2011年と比較すると4年で50%の成長率、年換算なら12.5%/年の成長。

余談だが2015年の日本国内IT市場規模は、前年比成長率マイナス0.6%。

では、はたして日本のオーガニック市場の今は?

 

圃場推移

出典:農林水産省ホームページ http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/convention/h27/pdf/siryo1.pdf

2009年(H21) における有機JAS圃場面積は8,506 ha。
2015年(H27)における有機JAS圃場面積は10,043 ha。

成長率で言うと6年で18%、年換算なら3%/年。
コレを単純に市場規模に当て込んだなら。

2009年における日本のオーガニック市場規模は約1,300億円。
2015年における日本のオーガニック市場規模は約1,534億円??

所詮は数字遊びに過ぎないので、信頼のおけるデータではない。
しかし、日本のオーガニック市場は世界のオーガニック先進国に遅れを取っていることは明白。
それも、生長速度では4倍くらいのひらきがある。

 

2020年に向けて日本の「オーガニック」は何をすべきなのか?

ココから先は、流通・小売に身を置く、Webショップmai店長こと「俺」への戒めとして記す。

 

農林水産省による行政サイドの推進は、継続的に必要。
大手小売りチェーンの「オーガニック」本格参入は、もっと推進すべき!

既存の自然食品店に、価格競争へ参戦しろとは言わない。
しかし、商品の特異性に胡坐をかいていたのではいつまでたっても成長がない。
大手チェーンにはできない、きめ細やかな仕事を生みだす!

キレイな容姿の一般野菜の隣に、いびつなオーガニック野菜を平気で置くべきではない。
小さくともオーガニックコーナーを構えるのなら、少しは勉強しよう。
商品が一般と比べて高いなら、高いなりの理由を伝える!
述べるべき『理』が無いなら、相応の値段をつける!

流通で商品の情報を遮断するな、商品の付加価値を上げる流通を模索すべき!
有機JAS認証におんぶにだっこではなく、流通がトレーサビリティを構築できないのか?
流通は過不足なく、生産者やメーカーの『理念や想い』を小売りに伝える必要がある!

「オーガニック」を扱う意味を問いなおそう!
なんだかんだ言いながらも、日本人は恵まれている。
海・山・川と自然に囲まれ、潤沢な水資源と四季折々の食材が手に入る。
世界的にみても稀有な好環境にいる。
だからこそ、環境への配慮が薄いのではないか?

EU諸国は環境への意識が、消費行動とリンクする比率が高い、なぜか?
日本の「オーガニック」が見習う余地はないのか?

 

関心のある環境問題トップ3

日本

  • 地球温暖化
  • オゾン層破壊
  • 不法投棄や廃棄物の不適正な処理

EU

  • 水質汚濁(海、河川、湖沼、地下水等)
  • 人為災害(大規模油汚染、工場事故等)
  • 気候変動

 

まず、この時点で国民意識の差がある。

フランス(パリ)は長きにわたり、水事情(上下水道)において苦労をしてきた。
EUのように地つなぎの国家間において、河川は共有資源と言う意識が根底にある。

EUにおける水質汚濁の主因は、農業とされている。
農業政策のベースに「農業は環境を破壊するものである」との考えがある。
これによりEUは法的規制や、環境にやさしい農法の採用を助長する政策を実施している。

1991年に「硝酸指令」(農業起源の硝酸による汚染からの水系の保護に関する閣僚理事会指令)を公布。
2000年に「水枠組指令」(共同体の水政策の行動に関する枠組を定める指令)を施行。

だからこそ、彼らの問題意識と消費行動が一致している。
それが彼ら流の「オーガニック」なのだろう。

 

日本では?

 

農業が環境を汚染する。
イメージすることができるだろうか……。

急峻な地形で水が豊富な日本において、農業が土壌を通して水を汚していることを理解できるのか?
冷蔵庫の中身が、環境を汚していることを理解できるのか?

やはり、わたしたちは発信し続ける必要があるのだろう。
たとえ疎まれる場面があったとしても、事実を伝え続ける必要がある。

もちろん「オーガニック」に縛られる必要もない。
しかし「オーガニック」と言う、言葉の便利さとも上手に付き合いたい。

だからこそ、もっと「オーガニック」を正しく理解してもらいたい。
そして広がりを加速させたい。

そうすれば、価格も今よりは安くなる。
商品の回転がよくなれば、もっと鮮度がイイ食材が手に入る。
商品開発も盛んにされて、品数も増える。

そうすれば、農業に夢を持った新規就農者も増えるはず!!

 

2020年に向けて、世界に誇れる日本の「オーガニック」のためにできることは、想いを伝えること。
生産者・メーカー、流通・小売はもちろんのこと、「あなた」も想いを伝えることは出来ます。

「オーガニック」を購入することも一つの意志表示でしょう。
近くにお店がないのなら、お店へ声を挙げることもできます。
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※国際環境NGOグリーンピース・ジャパンがイカした運動をしています。是非ご覧ください。

 

 

「Think Globally, Act Locally」

「2017年オーガニック元年」、Webショップmaiはネジを巻き直すことにいたします。

 

 

 

店長の備忘録として……。

 

 

おしまい。

 

 

記事をかいた人
Webショップmai店長こと「俺」

 

 

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 - 農業のこと