俺の雫(しずく)No.9 3月3日その2

      2017/03/14

醗酵爆発

あの日仕込んだ醤油があんなことになるなんて、俺たちはまだ知らない

ナチュラル男子の「俺」「しょうゆ」をつくるノンフィクション。

 

前回まで。

安定期に入った「俺の雫(しずく)」に事件が起きる。

不意に告げられた「雫(しずく)」の爆発。
状況が呑み込めない「俺」は、妄想を駆使して状況を推測した。
混然としていた思考は、少しずつ秩序へと向かっていたように見えたが……。

「俺」は妄想世界でサイレンを鳴らし、事件現場へと急行するのだった。

「ウゥ~ウゥ~。ピーポーピーポー」

 

 

 

2016年3月3日

 

 

 

事件現場についた刑事こと、「俺」。

以下、しばらく「俺デカ」(デカ=刑事)

 

 

 

今回のヤマは、「爆破事件」だ。

事件の一報が入ったのは18:30頃。
現場に到着した時刻は22:00、すでに4時間近く過ぎている。
事件現場の保存状況が気になる。

第一発見者(奥さん)の計らいで……。

 

もとい!

 

第一発見者が疲れて眠くなったことにより、現場の保存状況は事件発生当時のままだ。

 

 

 

第一発見者の証言によると

 

「う~ん。よく分かんないけど……。とにかく、爆発していたの!」

 

 

外出時に事件が発生したことと、第一発見者の右脳派人間ぶりを再認識した。

 

 

「とにかく、爆発してたの!」って……。

 

説明能力の乏しさに、いつも驚かされる。

 

 

第一発見者の証言はあてにならない。
つまり、現場証拠以外の手掛かりがない。

 

 

「俺デカ」は、事件現場となった台所の障子に手をかける。
第一発見者の気遣いなのか、蛍光灯はつけられたままだ。

 

電気がついているということは、障子を解き放つと同時に「ドン!」だ。

つまり「俺デカ」の網膜(もうまく)に、惨状(さんじょう)がダイレクトに入ってくることになる。

 

 

(……。)

 

 

すぐには開けられない。
事前の妄想で大まかな状況は推測しているが、所詮は推測の域を出ない。

(怖い……。)

 

 

 

 

(深呼吸)

 

 

 

 

 

「よし!!」

 

 

 

 

 

 

「スパーン!!!」(障子を開け放つ)

 

 

 

 

 

 

 

 

な。なんじゃこりゃ~~」

 

||/( ̄ロ ̄;)\||

 

醗酵爆発

爆発した「息子の雫(しずく)」 右上には「俺の雫(しずく)」

 

 

 

 

なんてこった……。

 

 

 

 

「俺デカ」の推測をはるかに超えていた。

 

 

 

前号にて

せいぜい、瓶の口から諸味(もろみ)が少々溢れ出た程度に違いない。

なんて、考えていたことを悔やむ。

 

 

 

 

瓶の中に僅かばかりの諸味(もろみ)が残ってはいるが、その大半はお盆へと流出している。

 

 

 

爆発は瓶の底部で起こっているようだった。

蓋や接合部には損傷が見られない。

 

 

 

 

(……。)

 

 

 

 

「はっ!」っと、ようやく我に返る「俺デカ」。

 

 

 

現場検証は後にしよう。

 

今は、まだ救える命を優先しなくては。

 

即座に「俺デカ」は、大きめのタッパーとスプーンを持ち救助をしようとした、その刹那。

 

脳裏にあることがよぎる。

 

 

 

(もしも、諸味にガラス片が混入したら……。)

 

 

 

ココは、闇雲(やみくも)に行動すべきではない。

ガイシャ(被害者)自然栽培天然菌の諸味(もろみ)だ。
少しも無駄にはできない。

 

 

まずは流出した諸味(もろみ)を混ぜないように、爆破された個所を特定すべきだ。

そして、その爆破箇所よりも後方の諸味(もろみ)を優先的に救う。

 

醗酵爆発

諸味(もろみ)救出のイメージ

 

 

救出は困難を要したが、安全圏と思われる諸味(もろみ)は救うことができた。

しかし、仕込み量と比較すると……。

 

 

息子に申し訳なくて、心が痛む。

 

 

なぜ「俺の雫(しずく)」ではなかったのか。

なぜ「息子の雫(しずく)」が爆発しなければいけなかったのか……。

 

 

(明日、息子にどうやって声をかけようかなぁ~)

 

 

 

そして、

 

危険エリアの諸味(もろみ)撤去が進むにつれて、事実が白日の下にさらされていく。

 

救出された諸味

救出された諸味(もろみ)

 

 

この段階で「俺デカ」が知りえた情報を箇条書きする。

 

  • 爆破されたのは、瓶の底部に近い側面
  • ガラス片は1欠片のみ(粉砕されていない)
  • 諸味(もろみ)の約4/5は外部に流出
  • 救出できたもろみは約半分
  • 諸味(もろみ)は、最長で70cmほど先まで飛び散っていた
  • 爆発したのは「息子の雫(しずく)」
  • 「俺の雫(しずく)」は無傷

 

以上。

この事実をもとに

 

「息子の雫(しずく)」は、なぜ爆発したのか?

 

を、次号にて検証する。

 

 

 

さすがの「俺デカ」も現場を見た瞬間に、「俺の雫(しずく)」連載終了の危機を感じた。
しかし、二本仕込みだったことによって、終了の危機は乗り越えることができた。

 

 

 

「息子の雫(しずく)」はココで一度、幕を下ろす。

しかし、救われた諸味(もろみ)たちによって、その命はつながれる。

 

そして「俺の雫(しずく)」があるかぎり、このミッションは続く。

あの「蔵の雫」のようなお醤油になることを目指し。

 

 

 

 

 

 

「あ。あと、もうひとつだけよろしいですか~」

刑事コロンボにインスパイアされています。

 

 

 

 

「うちのカミさんがね~」

※架空のカミさんです。

 

 

 

 

「いつも口癖のように、言うんですよ~」

 

 

 

 

 

 

 

「醗酵とは、爆醗だ!!!」

 

 

 

 

「俺の雫(しずく)」継続!! 目指せこの醤油!!

次号 俺の雫(しずく)3月3日その3

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