俺の雫(しずく)No.5 1月13日

      2017/03/14

俺の雫01-13

あの日仕込んだ醤油があんなことになるなんて、俺たちはまだ知らない

ナチュラル男子の「俺」「しょうゆ」をつくるノンフィクション。

 

前回まで

無事に仕込みを終え、徐々に醗酵へと向かう「雫(しずく)」たち。
「ぽこポコ」と醗酵音を醸(かも)し出している。

息子に「雫(しずく)」たちを混ぜられて、少し悶々とした日々を過ごしていた「俺」。
ようやく「俺」にも、「雫(しずく)」を混ぜるチャンスがやってくるのだった。

 

 

 

2016年1月13日

 

 

 

2015年の年末、「俺」は一人ぽっちで過ごす。

傍らには「夏子の酒」と、それに出てくる酒蔵の日本酒。

※「夏子の酒」とは尾瀬あきら著の漫画、和久井映見(わくいえみ)さんの主演でテレビドラマにもなりました。

 

2016年の年始、「俺」は一人ぽっちで過ごす。

傍らには「夏子の酒」と、それに出てくる酒蔵の日本酒。

※「夏子の酒」は三倍増醸酒やアルコール添加純米酒をめぐる問題など、業界の抱える構造的問題を世に知らしめた。

 

 

ご安心あれ!!

奥さんと息子は帰省中です。

 

 

さみしい年越しかなぁ? と予想していたが、そんなことはなかった。

 

 

 

年末の大掃除に始まり

年明け用の食材を買い出し

「俺の雫(しずく)」を混ぜ(念願叶う)

「夏子」と一緒に酒を飲み、年が明けた。

 

そう、「夏子」のおかげで楽しい年末年始を過ごした。

俺の雫01-13

左が「俺の雫(しずく)」右が「息子の雫(しずく)」 仕込みから約1か月経過
この時期(1週間後から2カ月)は櫂入れ3日に1回程度

 

よし。

今回は「夏子の酒」についてお話しする。

 

「俺と夏子が過ごした冬 2015-2016 (にーまるいちごー、にーまるいちろく)

 

「俺」「俺」トーンに、みなさまお疲れだろうと思い、お年玉のように粋な計らいだ。

決して「ネタ切れ」になったわけではない。

 

 

 

お話しするには、わけがある

 

「夏子の酒」「俺の雫(しずく)」には相通じるものがあるのだ。

※タイトル見ても、うり二つでっせ!!

 

 

細かいことはさておき「俺」のレビューを見てくれ。

 

 

 

主人公の佐伯夏子(さえきなつこ)は、東京の広告代理店で勤務している。

あるとき夏子は、大手酒造メーカーの広告を担当することになる。
その広告にはある条件が付いていた。

アルコールを添加している日本酒を、「アルコール添加」という表現ナシで広告を作成する。

広告の結果は上々であった。
しかし夏子は、商品の実体とかけ離れた広告に疑問を持ちはじめる。

 

そんな中、夏子に兄の訃報が告げられる。

康男(兄)は、30才という若さでガンによって死去する。
康男は、幻の酒米『龍錦』(たつにしき)を手に入れ、新たな酒をつくることを夢見ていた。

 

時代背景は、高度成長期が収束して減反政策(米の生産調整)が行われている。
日本酒の生産量もピークを越え、低下の一途をたどり始める。
酒蔵も大手メーカーに集約され、中小の蔵がどんどん潰れていた。

 

夏子は兄の意志を継いで、『龍錦』で酒づくりに取り組むことを決意する。

しかし『龍錦』はわずか1350粒しかない。
最初のチャンスは、最後のチャンスでもある。
託された1350粒が次の実りを迎えなければ、そこで夢は潰える。

『龍錦』は背が高く、籾(もみ)が大きい。
しっかりとした根と茎を育てなければ、倒伏のリスクがとても高い品種である。
そして現代農業における化学肥料では、それを実現することができないという答えにたどり着く。
選んだ栽培方法は有機栽培であった。

周辺農家は一般栽培(化学肥料・農薬使用)ゆえに、栽培をお願いすることもできない。
つまり夏子は酒づくりよりも前に、米づくりを一から始めることとなる。

 

農業は生産性と効率を重視する時代だった。
品種改良と化学肥料・農薬によって劇的に生産性は飛躍した。
機械導入、圃場整備(小さな水田を、大きな水田へとまとめる)によって効率化が図られていく。
農薬もヘリコプターによる一斉散布。
エピソードとして、登校中の子どもたちが農薬を浴びて、病院へ担ぎ込まれる描写がある。

どれだけコストをかけず(手をかけず)米をつくるか。
そこにのみフォーカスが当たっていた時代だ。
そして日本の米農家はすでに、補助金なしでは成り立たないほど疲弊していた。

「右向け右」で貰えていた補助金が、一人が左を向くだけで貰えなくなる国の構造。
ゆえに、夏子が取り組もうとしている有機栽培は、村八分の対象でもあった。

 

幾多の困難を乗り越え、『龍錦』は一年目の収穫を迎える。
その収穫量は31.4kgとなる。

二年目の栽培は仲間も増えて「栽培会」を立ち上げる。
その年の収穫は4500㎏+次年度の種籾60kgとなった。

 

夏子は米づくりだけを行っていたわけではない。
酒に対する常人離れした能力(利き酒や酒豪っぷり)によって、女だてらに杜氏とも渡り合う。
若い杜氏見習いとともに、成長していく姿が描かれている。

 

作中で何度か、三増酒やアルコール添加、また、業界の構造的な問題が描かれている。
「俺」も知識程度は知っていたが、とてもわかりやすく描写されている。
興味がある人はぜひ見てほしい。

そして、間違いなく「本物の日本酒」を飲みたくなるはずだ。

 

物語は佳境に入り、『龍錦』での酒づくりへと向かう。

 

「一麹・二もと・三造り」

 

日本酒好きなら、耳にしたことがあるのではないだろうか。
とても手間のかかる工程だが、その一つ一つに杜氏や蔵人の思いが詰まっている。

  1. 原材料の酒米を磨く(精米する)
    この精米歩合によって酒の名称が変わってくる(吟醸、大吟醸など)
  2. 米を浸水する(米を洗い水につける)
  3. 米を蒸す
  4. 蒸した米に種麹をつけて増殖させる(麹米)
  5. 麹米・乳酸菌・酵母を水と混ぜ酒母をつくる(もと)
  6. もとを基として、麹・仕込み水・蒸し米を数回に分けて、つぎ足して「もろみ」をつくる(造り)
    この工程においては温度管理が肝となる
    現代のように冷却装置が無い時代には、冬場の仕込みが基本だった
  7. しぼり、火入れ

 

そして夏子の酒造りはクライマックスへと向かっていく。

 

3本のタンクで『龍錦』を仕込んだのだが、最終的にその中の1本を

「純米大吟醸・康龍」 と、名付けることとなる。

「康」は亡くなった兄、「康男」の一字からきている。

 

 

 

「ひゃ~=~=~」

 

 

 

涙が出そうだから、ここまでにしておきましょう。

 

 

 

 

う~ん。

醗酵・醸造の世界は深い
醤油も酒も、そして、みんなつながっているな~って感じる。

 

今回は真面目な「俺」が垣間見えたかな。

それも「俺」。

 

 

いつか

 

 

「俺の雫(しずく)」もドラマ化されちゃうんだろうなぁ……。

 

 

今のうちにキャスティング考えておかなきゃ!!

なんて妄想を膨らませながら、2016年が始まっていくのだった。

 

 

 

再来!!

勇者が「めんぼう」を手放さない!!!

そんなことを知る由もない

2016年の「俺」だった。

 

 

「夏子の酒」を凌ぐストーリー? この醤油を味わえ!

次号 俺の雫(しずく)1月20日

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